ストラテジーの最大のビットコイン調達手段が圧力を受けている。ストラテジーのSTRC優先株は今週、想定水準である100ドルを大きく下回り、同社がウォール街型の証券を通じて継続的にビットコイン購入を進める複雑な計画への新たな懸念が浮上した。
この売り圧力は、セイラー氏がストラテジーの新たな優先株商品をAI活用設計と関連付けたことで、さらに注目を集めた。
STRCの正式名称はストラテジー変動利付シリーズA永久ストレッチ優先株で、100ドル前後での取引を想定して設計された。ストラテジーは分配金利回りを毎月調整し、この目標維持を図ることができる。
この設計がいま、試練に直面している。
STRC株価は下値80ドル台前半から高値80ドル台で推移し、ストラテジーの想定する水準を大きく割り込んだ。
相対的に安定した高配当優先株として販売された商品にとって、この下落は投資家への重要な警戒シグナルとなっている。
AIに関するセイラー氏の発言により、株価急落は大きな話題となった。
セイラー氏は、ストラテジーが一部の優先株商品設計に人工知能を活用したと述べてきた。現在、批判的な声は、STRCを「AI設計の証券」とやゆし、市場の圧力で破綻しつつあると指摘している。
このフレーズは耳目を引くが、実態はより複雑だ。AIはモデル化や構造設計の一部を助けた可能性が高いが、証券自体は実際に銀行家や法律家、経営陣、市場当局の審査も経ている。
それでもイメージは悪い。STRCはビットコイン時代の金融工学として訴求されたが、100ドル割れにより、その安定性が疑問視されている。
STRCはビットコインでもステーブルコインでもなく、通常の会社株式でもない。
これは、ストラテジー(旧マイクロストラテジー)による優先株である。優先株は一般に普通株と社債の中間に位置し、投資家は主に配当収入を求めて購入する商品。
STRCは高い配当を支払う。ストラテジーは月ごとに配当利回りを上下させ、株価を100ドル近辺に維持できるよう調整可能。
これが基本的な仕組みだ。もしSTRCが100ドルを大きく下回れば、市場ではストラテジーが配当を引き上げて魅力を高めることが期待される。
配当引き上げは、ストラテジーが投資家により多くの支払いを強いられることを意味する。
それは資金調達コストを押し上げ、今後のSTRC発行も困難となる。もし投資家が100ドル維持に期待できなくなれば、ストラテジーはさらに高い利回りを提示する必要が出てくる。
この点は、セイラー氏にとって重要だ。ストラテジーはSTRCのような証券を活用してビットコイン購入資金を調達してきた。同社は資本市場から資金を得て、その一部でビットコイン買い増しを続けている。
この仕組みが機能すれば、通常株式を割安に発行せずにビットコイン保有を拡大できる。
弱体化すれば、選択肢は厳しさを増す。
STRCの影響でストラテジーが再度ビットコイン売却を迫られるとする確かな兆候は出ていない。
懸念となるのは圧力であり、直ちに強制売却を迫られる事態ではない。
もしSTRCがさらに下落すれば、ストラテジーは配当引き上げを余儀なくされる可能性がある。配当負担が高まれば、安定したキャッシュフローか新規資金調達が必要となる。
これが普通株の追加発行につながれば、既存株主の持分希薄化につながる。ストラテジーによるビットコイン買い増し余力も低下しかねない。
さらに深刻な場合、投資家は同社が資本やバランスシート防衛のため、一定のビットコイン売却圧力に直面し得ると警戒している。
これは、セイラー氏の戦略を巡るコアストーリーに逆風となる。ストラテジーはビットコイン蓄積こそが自社のアイデンティティであり、売却ではないと示してきた。

