米証券取引委員会(SEC)のヘスター・パース委員は、トークン化株式のイノベーション例外規定案について、その範囲を明確に限定した。シンセティック商品を除外し、実際の株式をデジタルで表現したもののみに対象を絞る方針を示した。
同氏の見解表明により、トークン化関連企業間で生じていた議論に一定の決着がついた。同氏の先の投稿に含まれた一語が、どのオンチェーン商品が適用対象となるのか混乱を招いていた。
パース委員はXで、トークン化株式の枠組みは、上場株式のみに適用されると説明した。この例外規定は、すでに投資家が二次市場で購入できる株式を対象とする。
同氏は、その背景としてSECが1月に発表したトークン化に関するスタッフ声明を指摘した。この文書は、発行体主導のトークンやカストディラッパーとシンセティック商品を区別している。
リンク商品は、基礎株への経済的なエクスポージャーのみを提供する。こうした商品の保有者は、発行体が破綻した場合にカウンターパーティリスクを負う一方、議決権や配当は通常消失する。
ギャラクシー・リサーチのアレックス・ソーン氏は、各政策チームやトークン化企業が朝からパース委員の選んだ語句の解釈に苦慮したことを指摘した。
こうした摩擦は、プロダクト設計が多様化した現状を反映する。多くのDeFiネイティブプラットフォームは、発行体の協力や証券会社のカストディを回避するため、シンセティックラッパーに依存している。
この構造により、ローンチの迅速化やレンディング、デリバティブプロトコルとの組み合わせが可能となる。
パース委員の整理は、デリバティブ的なエクスポージャートークンではなく、完全裏付け型のトークン化を支持する姿勢を示す。同氏のこれまでのデジタル証券サンドボックス案と一貫し、制御された実験を重視している。
今回の見解は、SECのポール・アトキンス委員長が進めるProject Cryptoフレームワークの最終化作業と重なる。例外規定は、オンチェーン株式売買の全面的な規制緩和ではなく、限定的なパイロットの位置づけとなった。
